【連載】ブライダル自社集客向上の手引き④

  • 2023/01/27
     

ポイントは商戦期の検索広告の最適化と商戦期前の認知施策の実施

※こちらの内容はブライダル産業新聞で連載した内容を転記しております※

前回まで三回に渡り「陥りやすいミス」や「検索・動画広告」について連載してきました。第四回の今回は、年始の商戦期に向けて今からでも実施できる有効な自社集客施策について紹介していきます。

23年1~2月はユーザーの検索数も大幅UP。適切な予算調整と運用方針が鍵に

前回も有効性と必要性について触れた検索広告は、時期を問わず重要な施策ですが、特に年始に向けては予算や使い方についてのチューニ ングは必要となります。 Googleのシミュレーションによると、23年1~2月のブライダル関連のキーワードの検索ボリュームは、22年比で160%と大幅に増加する見込みです。コロナ禍からの市場回復とユーザーがオウンドメディアの情報を重視する傾向が表れている数字だと思います。

検索ボリュームの増加を見ると、単純に検索広告への期待値は上がりますが、闇雲に予算増加を行うだけでは非効率な投資となってしまう可能性もあります。指名系・エリア系・BIGワ ードなど、どのキーワードにどのくらいの予算を投下すると良いのか、商圏毎にシミュレーションを立てて、キーワードのグループ毎に予算の増減を管理していくのが効率的な広告運用に繋がると言えるでしょう。

またシミュレーションを立てるうえで、外せないのが商圏内の競合会場の動きです。ユーザーの検索ボリュームは増加しますが、競合他社がそれを上回る広告出稿を行う場合、必然的にキーワードの入札オークションが激化することに繋がります。

限りある予算を最適に活用していくためには、やはりどのキーワードを確実に自社で上位の表示で抑えるか、どのキーワードは捨てても良いのかという選択を行うことが必要になってきます。特に商戦期で競合他社の仕掛けも予想される場合には、競合を意識した対策を行うことが効率的なCV数(コンバージョン数)増に繋がると言えることから、このポイントをしっかりと押さえておくべきです。

商戦期のCVを最大化するための認知施策

以前の連載の中で検索広告経由のCVの内訳は90%以上が「指名検索」と「エリア検索」であることをお伝えしました。CVに繋がるキーワードなので、この2つの検索キーワードのどちらも、結婚式場検討が進んだユーザーのアクションということになります。つまり、その前段階で何らかの自社会場の情報を得て認知し、検討を行った後に取った行動であるということになります。

年始集客を目的とするあまり、年始にばかり予算を投下しがちですが、上記に示した通りユーザーの検討フェーズに目を向けてみるとそれだけでは効果も限定的です。年内の段階で年始の指名検索増に繋がる認知施策を打ち、種まきを行っておくことが、年明けの集客を最大化させるポイントと言えます。 では認知施策はどう実施するのが良いのか。 認知施策というと抽象度が高く、大きな予算を掛けないと大海の一滴となってしまい効果が得られないと思われがちですが、婚礼業界では意外にそうではありません。

婚礼業界では、都市部で数万組、地方都市で数千組と、商圏内で1年間に披露宴を実施する組数は限られています。つまり、年間1万組が結婚式を実施するマーケットであれば、この1万組に対しての認知を得られれば良いということになります。

認知施策として有効なYOUTUBEの動画広告ではメニューによって1視聴あたりの費用は数円に抑えることができるので、それほど大きな費用を掛けずとも商圏内の潜在的なユーザーからの認知を常に得続けることが可能と言えます。まずは市場規模から必要な予算を試算し、 年始を前にした種まきとして実施されることを お勧めします。

ユーザーの検索ボリュームが大幅に増える見込みの来年の年明け商戦は、自社集客力で差がつきやすいとも言えます。まずは検索と認知施策という基本的な施策の準備に目を向けるきっかけになれば幸いです。