【連載】ブライダル自社集客向上の手引き⑤

  • 2023/01/27
     

年間のメディアプランを組み立てるポイント

 ※こちらの内容はブライダル産業新聞で連載した内容を転記しております※

 前回は年始の商戦期に向けた自社集客の仕掛けについて紹介しました。 年始の仕掛けが一区切りしたのも束の間、今度は来期の広宣費計画・メディアプランについて頭を悩ませる時期になりました。

 婚礼業界を取り巻く環境は、集客や施行組数は戻りつつありますが、人数・単価ダウンの問題が起きているために、広宣費の計画を見直したいという相談を受けることも多くなっています。第5回の今回は自社集客の観点で、年間のメディアプランを組み立てる際のポイントを紹介します。

顧客の情報収集フェーズと、アクションを起こすフェーズを見極めた集客施策の重要性

 コロナ禍に入り、ユーザーの検討行動にも変化が見られ、以前ほど月ごとの来館の山・谷が生まれづらくなりました。とはいえ、1月・5月・9月などの商戦期はアクション総量もUPするため、やはり他の月よりも強化したいタイミングと言えます。自社集客において通年での集客施策を検討する際には、「認知」と 「アクション」のどちらに軸足を置くのかを各月ごとにテーマ設定することが費用対効果の 高い集客に繋がると言えます。

「媒体集客(ポータルサイト)」の特性を理解し、「自社集客」と組み合わせて活用する

 メジャーなポータルサイトは、上述の「アクション」のフェーズに入ったユーザーを多く抱えています。そのため、これからアクションするユーザーを一斉に沢山の会場と取り合う、「短距離走型」の勝負になりがちです。アクション強化を目的とした媒体オプションの追加や、万人がメリットを感じやすい来館・成約特典の打ち合いに繋がりやすいと言えます。結果として、かえって多くの広宣費を必要とするケースや、 自社の得意としないカスタマーを強引に誘致し接客効率の悪化に陥ることも見受けられます。

限られた広宣費を最適に活用するためには、「短距離走型」の集客が始まる前段階で、ターゲットユーザーへの認知を得る自社集客施策を打ち、事前にユーザーの検討の候補に入った状態で商戦期を迎えられることが望ましいと言えます。例えば下段表のように、商戦期の前段階でユーザーの認知を目的とした広告メニューとクリエイティブの訴求に軸足を置き、商戦期には種まきをしておいたユーザーの刈り取りを目的に、検索広告とアクションを促すクリエイティブの訴求に軸足を置くなどの施策は効果的。 検討期間が1か月~1か月半と、ユーザーが探し始めてから決定までのリードタイムの短いブライダル業界では、すぐにアクションを期待できる刈り取り型の施策に注目されがちです。 認知施策は広告を投下してすぐにCV(コンバージョン)が発生するものではありませんが、いわゆる「短距離走型」の集客が始まる前のユーザーに自社をアピールできる施策です。年間の集客戦略を立てられるこのタイミングだからこそ、中長期的に集客効率を最適化する施策を、計画的に準備されることをオススメします。