【連載/最終回】ブライダル自社集客向上の手引き⑥

  • 2023/01/27
     

Web広告の精度の高いターゲティングとは

※こちらの内容はブライダル産業新聞で連載した内容を転記しております※

前回まで全5回に渡って、婚礼業界の自社集客をテーマに、検索広告・ディスプレイ広告・動画広告の魅力やブライダル集客で上手く活用するポイントを紹介しました。第6回の今回は、基礎的な内容ですが、自社集客強化に取り組んでいる式場が、代理店に任せたままで意外に見落としがちな「ターゲティング」に焦点を当てて紹介します。

Web広告だから出来るターゲティングの種類とは

ターゲティングの手法が豊富なGoogleを例に紹介します。最も基本的な設定項目は、年齢や性別、居住地というプロフィール情報に基づいたものです。地域も市区町村単位で設定できるので、自社の集客可能な商圏に基づいた細かな設定が必要となります。 次に、Googleの保有するユーザーデータを基に、ユーザーの興味関心や購買意向、ライフイベントなどを絞った設定。結婚式のマーケティングにおいては、事前にGoogle側で豊富なター ゲットリストが用意されています。例えば、「挙式披露宴」や「結婚指輪」、「婚礼衣装」に対しての興味関心・購買意向の有無や、結婚予定など。これらを利用することで、かなり高い精度で結婚式を前向きに検討する商圏内のユーザーを広告で捉えられるようになります。 さらに、興味関心などに加えてカスタマーの検索履歴や訪問したサイトなどもターゲティングに掛け合わせられる設定があります。この機能を活用することで、競合会場名を検索していたり、競合会場のサイトに訪れているユーザーを狙うことができます。式場の集客では基本的にベンチマーク先の会場は不変なため、有効なライバルマーケティングに繋がります。

自社が保有するカスタマーデータを活用することで、更に精度の高い広告配信が可能

Googleやインスタグラム、LINEなどメジャーなWeb広告媒体では、自社で保有する成約者や来館者、見学予約者の電話番号などの情報を取り込むことで、より精度の高いターゲティングを行うことが可能です。 最もポピュラーな活用の仕方は類似ターゲティング。過去自社に成約・来館・見学予約をした人に近い興味・関心を持つユーザー や、Web上で似たような行動をするユ ーザーに配信を実施できます。この機能を活用することで、結婚式を検討する大勢の新郎新婦の中でも自社に近い属性のユーザーを狙うことができ、大手媒体の提唱するいわゆ るクラスター配信のようなものが自社集客でも叶うわけです。 また、このカスタマーデータを用いる配信方法の中で、あまり知られていない活用方法の一つに、ユーザーの配信除外設定があります。 これは広告媒体に取り込んだ対象ユーザーに対して広告を表示しないようにする手法です。 例えば、ゼクシィなどの第三者メディア経由で多くの予約が入る式場では、既に予約の入ったユーザーに広告を表示させない設定を行うことをおすすめします。広告費用の無駄を省き、新規のユーザーに絞った効率の良い広告配信に繋がります。また、除外設定に活用した見学予約者などのユーザーリストは、類似ターゲティングにも活用することで、より自社と相性の良いユーザー属性の学習を進めることも可能です。 これまでの連載の中で、自社集客強化のためには会場の認知をいかに広げ、将来の来館予約を増やすか、という話をしました。闇雲に認知用の広告をばら撒くのではなく、適切なターゲティングを最大限活用することが質の高い自社集客に繋がります。ぜひこの機会にターゲティングの設定について見直しをかけてみてはいかがでしょうか。